【11月25日 AFP】世界気象機関(World Meteorological Organization、WMO)のミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は24日、2009年の世界の温室効果ガス濃度は経済の低迷にもかかわらず過去最高レベルに達していたと発表した。地球温暖化が進めば北極圏からさらに大量のメタンが放出される恐れがあるとしている。
ジャロー事務局長は、温室効果ガス削減に向けた国際的な協調行動をとらない限り、さらに濃度は上昇するだろうと述べ、加えて「将来気候が変動した場合に北極圏の永久凍土や各地の湿地帯から放出されるメタンも大きな懸念材料で、集中的な研究と観察の対象となりつつある」と説明した。
二酸化炭素(CO2)濃度は2009年、産業革命以前の水準から38%増の386.8PPMに達した。温室効果ガスの中でCO2の次に影響の大きいメタンは、同158%増の1803PPBに達した。
WMOによると大気中のメタン濃度は、1999~2006年にかけてほぼ一定していたが、2007~09年にかけては増加した。
WMO研究部の共同ディレクター、レン・バリー(Len Barrie)氏は「産業革命以前の気温からの上昇を2度以内に抑えるという目標を達成するには、化石燃料の使用をいますぐ止めて、温室効果ガス濃度を減少に転じさせるしかない」と語った。(c)AFP
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